今回はレセプト作成の実技試験・学科試験で必要な
- 特定薬剤管理指導加算1とは
- 記入方法
上記2点をまとめていこうと思います。
「特定薬剤管理指導加算1とはどんなものなのか知りたい」「特定薬剤管理指導加算はどうやって計算・記入するのか知りたい」といった方に読んでいただけると嬉しいです!
今回は、薬学管理料の加算部分を説明していきます!
記入方法の部分では、自分で考えた例題を解いてみます。
目次
特定薬剤管理指導加算1とは
特定薬剤管理指導加算1は薬学管理料の加算のうちの1つです。
定義としては
特に安全管理が必要な医薬品として厚生労働大臣が定めるものを調剤した場合
その医薬品の服用状況・副作用の有無などについて患者に確認し、必要な薬学的管理および指導を行った場合に算出することが出来る加算のこと
となっています。
特に安全管理が必要な医薬品として厚生労働大臣が定めているものには、下記のようなものが挙げられます。
名前だけだとどんなものか分からないものも多かったので、少し調べてみました。
- 抗悪性腫瘍剤:がんの治療に用いる薬剤
- 免疫抑制剤:体内で起こっている過剰な免疫反応や炎症反応を抑える薬剤
- 不整脈用剤:不整脈の治療に用いる薬剤
- 抗てんかん剤:てんかんの治療に用いる薬剤
- 血液凝固阻止剤(内服薬に限る):抗血栓療法などに用いる薬剤
- ジギタリス製剤:心不全などの治療に用いる薬剤
- テオフィリン製剤:喘息や気管支炎などの咳や息苦しさなどを改善する薬剤
- カリウム製剤(注射薬に限る):カリウムが不足することで起こる脱力感や吐き気などの症状を改善する薬剤
- 精神神経用剤:うつ病や統合失調症などの精神疾患の治療に用いる薬剤
- 糖尿病用剤:糖尿病の治療に用いる薬剤
- 膵臓ホルモン剤:膵臓ホルモンを製剤にしたもの。膵臓ホルモンは2種類ある。それぞれの使い方⇒①インスリン⇒糖尿病治療剤、②グルカゴン⇒診断用薬(成長ホルモン分泌機能検査・インスリノーマの診断など)
- 抗HIV薬:HIV(エイズ)の治療に用いる薬剤
12種類の薬剤が特定薬剤管理指導加算1に該当しますが、どの薬剤について調べていても『ハイリスク』・『中毒』といった怖い検索ワードが目に入りました。。
特に注意して処方・説明などしてもらう必要のあるお薬なので、追加で加算があるのですね!
特定薬剤管理指導加算1の記入方法
特定薬剤管理指導加算1は
処方箋受付1回につき10点
を算定することが出来ます。
略称は、特管Aです。
特定薬剤管理指導加算1は、薬剤服用歴管理指導料に足し合わせて薬学管理料欄に記入します。
薬学管理料欄に記入する際には、薬剤服用歴管理指導料・特定薬剤管理指導加算1それぞれについて何回分の処方箋受付について算出したか略称を四角で囲んだ右側に数字で記載します。
Ex.)薬剤服用歴管理指導料2 薬C・特定薬剤管理指導加算1を処方箋受付1回についてそれぞれ算定する場合
⇒【薬C】1 【特菅A】1(【 】は実際には□で囲む)
特定薬剤管理指導加算1は処方箋受付1回に対し、10点を算定するのですね!
薬剤服用歴管理指導料に足し合わせる!ということを忘れないように注意しましょう。
私はよく足し忘れてしまっていました。。
これを考慮し、いつものようにフローを作ってみます。
- 薬学管理指導料はどれに該当するか確認する
- 特定薬剤管理指導加算1に該当するか確認する
- 該当する薬剤服用歴管理指導料と特定薬剤管理指導加算1を足し合わせ、薬剤管理料を計算する
- 薬学管理料欄に【薬剤服用歴管理指導料の略称】該当する受付回数【特菅A】該当する受付回数を上段に、計算した薬剤管理料を下段に記入する(【】の中身は四角で囲む)
問題を解く際にどの薬剤管理指導料に該当するか判断すること、薬剤管理指導料の略称・点数が必要となるため、その表などを再掲しておきますね。
表1 薬剤服用歴管理指導料の略称と点数
薬剤服用歴 管理指導料1 | 薬剤服用歴 管理指導料2 | 薬剤服用歴 管理指導料3 | 薬剤服用歴 管理指導料の特例 | |
3カ月以内 手帳あり | 薬A(43点) | ー | 薬3A(43点) | 薬特A(13点) |
3カ月以内 手帳なし | ー | 薬B(57点) | 薬3B(43点) | 薬特B(13点) |
3カ月以内以外 | ー | 薬C(57点) | 薬3C(43点) | 薬特C(13点) |
〇薬剤服用歴管理指導料4:薬オ(43点)
〇薬剤服用歴管理指導料の特例(情報通信機器を用いた服薬指導):特薬オ(13点)
- 薬剤服用歴管理指導料1:3カ月以内に処方箋を持参+お薬手帳あり
- 薬剤服用歴管理指導料2:上記以外(3カ月以内に処方箋を持参+お薬手帳なし、3カ月以内以外)
- 薬剤服用歴管理指導料3:特別養護老人ホーム入所者
- 薬剤服用歴管理指導料4:情報通信機器を用いた服薬指導をした場合
- 薬剤服用歴管理指導料の特例:特例に該当する保険薬局が対応した場合
※特例に該当する場合は各種加算は算定不可
例題
特定薬剤管理指導加算1は点数が1通りなので、今回は例題を1題としますね!
下記のように処方箋に記載されている場合、薬学管理料欄に記入してみましょう!
<処方箋①>
調剤済年月日:令和3年10月1日
備考欄:※令和3年9月に処方箋による調剤実施
※特に安全管理が必要な精神神経用剤(〇〇)について、薬学的管理と指導を実施
<処方箋②>
調剤済年月日:令和3年10月15日
備考欄:特に記載なし
では、フローに従って考えていきましょう!
まずは、薬剤服用歴管理指導料がどれに該当するか確認しましょう。
薬剤服用歴管理指導料は処方箋を3カ月以内に調剤をされているか・お薬手帳を持ってきているかを確認し、判断していきます。
- 3カ月以内に処方箋を持参・調剤されているか確認!
処方箋受付が3カ月以内にされているかそれぞれの処方箋についてチェックしてみます。
- 処方箋①:備考欄に『※令和3年9月に処方箋による調剤実施』と記載があるため、3カ月以内の処方箋受付あり
- 処方箋②:1枚目の処方箋の調剤済年月日『令和3年10月1日』⇒2枚目の処方箋の調剤済み年月日『令和3年10月15日』とあるため、3カ月以内の処方箋受付あり(1カ月未満)
- お薬手帳の有無確認!
処方箋2枚とも特に記載がないため、お薬手帳は持参されていると考えます。
これより、処方箋①・②ともに薬剤服用歴管理指導料1 薬A(3カ月以内に処方箋を持参・お薬手帳あり) に該当することが分かります!
備考欄をチェックします!
それぞれ備考欄を確認してみると、
処方箋①⇒『※特に安全管理が必要な精神神経用剤(〇〇)について、薬学的管理と指導を実施 』とあるため、特定薬剤管理指導加算1に該当する
処方箋②⇒備考欄に特に記載がないため、特定薬剤管理指導加算1には該当しない
ことが分かります。
そのため、特定薬剤管理指導加算1に該当する処方箋受付は処方箋①の受付1回のみとなります。
今回は
- 薬剤服用歴管理指導料1 薬A(処方箋①・②両方):43点
- 特定薬剤管理指導加算1(処方箋①のみ):10点
が該当するため、これらを足し合わせていきます。
今回は薬剤服用歴管理指導料1 薬Aが処方箋受付2回分なのでそちらは×2します。
43点(薬剤服用歴管理指導料1)×2+10点(特定薬剤管理指導加算1)=96点
薬剤管理料は96点と計算出来ました!
まず、略称を確認します。
薬剤服用歴管理指導料1 薬A⇒略称は『薬A』ですね。
これより、
上段:【薬A】2【特菅A】1
下段:96
と記入すればOKです!
(※【 】の部分は実際には中に書いてある文字を四角で囲みます)
この特定薬剤管理指導加算1は、麻薬管理指導加算と並んでよく出題される薬学管理料の加算となります。
よく備考欄をチェックしておけば、計算自体は難しくないと思うので注意しましょう!
ただ、処方箋が2枚になると見るべき場所も増えて焦り、見損ねてしまうこともあるかもしれません(私も答え合わせの際によく、忘れてた。。となりました。。)
自分の中でこの順番で最後に見落としがないかチェックするなど決めておくと、見落としによるケアレスミスを減らせるかもしれませんね!
ここまで読んで下さりありがとうございました。