調剤事務の資格勉強で出てくる加算料について、自家製剤加算をまとめます!
- 自家製剤加算とは
- 計算 / 記入方法
の二本立てで書きますね。
目次
自家製剤加算とは
自家製剤加算は下記のように定義されています。
市販の剤形では対応出来ない場合に、医師の指示に基づき内服薬・屯服薬・外用薬いずれかに対して
服用しやすいように特殊な加工を行った際に加算する点数のこと
ここでいう特殊な加工は何が該当するのか箇条書きにしてみます。
- 安定剤、溶解補助剤、懸濁剤など調剤技術上必要な添加剤を加えての調剤
- ろ過
- 滅菌
- 加温
- 割線のある錠剤を医師の指示で分割※
※調剤した医薬品と同一剤形・同一規格の医薬品が薬価基準にのっていない場合のみ
薬剤師さんが薬科基準にのっていないような加工をした場合に算出することが出来る加算となっていそうですね。
割線のある錠剤を分割しただけでも加算の対象になるとは驚きですね。
私は、ここで初めて医療品添加物というものがあることを知りました。。
薬も当日までに飲まなければいけないなど使用期限が短かったり、溶かしたい薬剤が溶けにくかったりしたら困ってしまうので、よく考えたら入ってはいそうですね。。
医療品添加物の中にはアレルギーを示すものもあるので注意も必要だそうです。
そう言えば、私の母はビタミン系のサプリを飲んだ際に、周りの糖衣のようなもので肌が荒れていたような気もします。。
次に、計算・記入方法について考えてみましょう!
計算・記入方法
自家製剤加算は、内服薬か・屯服薬か・外用薬か、また何剤かによっても点数が異なるので表にまとめてみます。
表1 自家製剤加算の点数
○○薬 | ○○剤 | 点数 |
内服薬 | 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エキス剤 | 20点/7日分 |
内服薬 | 液剤 | 45点 |
屯服薬 | 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エキス剤 | 90点 |
屯服薬 | 液剤 | 45点 |
外用薬 | 錠剤、トローチ剤、軟・硬膏剤、パップ剤、リニメント剤、坐剤 | 90点 |
外用薬 | 点眼剤、点鼻・点耳剤、浣腸剤 | 75点 |
外用薬 | 液剤 | 45点 |
参考:調剤報酬点数表(令和2年4月1日施行)https://ikuseikai.org/pharmacy/img/point.pdf
全て1調剤につき加算します。
- 液剤は内服薬・屯服薬・外用薬でも同じ45点
- 錠剤などはどの薬剤の種類かで点数が異なる
などまちまちですね。。
特に内服薬の場合の、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エキス剤は点数が7日ごとに20点加算するタイプなので注意しましょう!
私はよく何日処方でも20点にしてしまっていました。。
試験などでは、しっかり点数表を確認することをお勧めします。
例題
下記のように処方がされた場合の、自家製剤加算を求め、加算料欄に記入しましょう。
錠剤A 0.5T 分1 夕食後 21日分 割線で分割
備考欄:錠剤Aは半錠規格の薬価収載なし
錠剤に対して加工した場合の、自家製剤加算を実際に求めてみましょう!
書いていくにあたっていつもの通り、自分で記入する際のフローをまとめておきます。
- 自家製剤加算に該当するか確認する
- どの薬剤の種類か判断する
- 点数を計算する
- 該当する薬剤の加算料欄に□、中に自と記入し、右横に計算した点数を書く
このフローに従って考えていきましょう!
錠剤Aは0.5T、割線で分割とあります。
自家製剤加算は半錠に分割する際も加算出来たかも、と思うかもしれないですが、この点のみで判断するのは少し危険です。
“半錠に分割する場合、自家製剤加算が出来るかはその半錠の薬剤が薬価収載なしであること“が必須条件となります!
元々半分の薬剤が存在しているならば、余計な手間をかけて半錠に加工する必要ないですね。。
今回は備考欄に錠剤Aは半錠規格の薬価収載なしとの記載があるので安心して自家製剤加算できますね。
処方されている錠剤Aは0.5T 分1 夕食後 21日分との記載があります。
分1 夕食後 21日分と服用タイミング・処方日数が指示されていることから
この薬剤は内服薬であると判断することができます。
また、Tという単位から錠剤であるということもわかります。
自家製剤加算の点数表から、内服薬・錠剤という条件で調べてみると20点/7日分という記載を見つけることが出来ます。
錠剤Aの処方日数は21日分なので、何点となるか計算するために21を7で割ります。※ 20点/7日分だから
21日÷7日=3
端数が出た場合は数に関係なく切り上げます。※1〜7日が20点、8〜14日が40点…というイメージです。
20点/7日分なので、これに20をかけます。
3×20点=60点
自家製剤加算が60点であると計算できました!
錠剤Aの加算料欄に□、中に自と記入し、右横に60と書きましょう。
これで自家製剤加算の計算・記入は終わりです。
7日ごとであるという点を忘れないようにさえすればおそらく問題なく解けると思います!
ここの計算は一包化加算と同じなので、両方一気に覚えることが出来て楽ですね。
ここまで読んでくださりありがとうございます!