今回はレセプト作成の実技試験・学科試験を解く際に必要な
- 地域支援体制加算とは
- 算出・記入方法
上記2点をまとめていきます。
「地域支援体制加算とはどんなものなのか知りたい」、「地域支援体制加算は具体的にどのように加算・レセプトへ記入するか知りたい」といった方に読んでいただけると嬉しいです!
記入方法の部分には、私の考えた例題を実際に解いています!
目次
地域支援体制加算とは
地域支援体制加算の定義は下記の通りです。
厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長などに届け出た保険薬局において調剤した場合算出することが出来る加算
厚生労働大臣が定める施設基準は沢山あるので一部を抜粋すると下記の通りになります。
- 地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績があること(調剤基本料1を算定しているもの、それ以外で基準が異なる)
- 保険調剤に係る医薬品として1200品目以上の医薬品を備蓄していること
- 24時間調剤及び在宅業務に対応できる体制の整備
- 患者ごとに薬剤服用歴の記録を作成し、調剤に際して必要な薬学的管理を行い、調剤のつど必要事項を記入するとともに、当該記録に基づき、調剤のつど当該薬剤の服用及び保管取り扱いの注意に関し必要な指導を行っていること
- 一定時間以上の開局(平日時間以上、土曜日もしくは日曜日のいずれかの曜日は一定時間以上、週45時間以上開局)
- 一般用医薬品を販売していること
- 在宅療養の支援に係る診療所および病院・訪問看護ステーションとの連携
- 保険医療サービスおよび福祉サービスとの連携医療安全に資する取り組みの実績
- 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が85%を超える場合には、後発医薬品の調剤割合が50%以上であること
基準なので箇条書きにするとすごく項目が多いことが分かりますね。。
大分項目は多いですが、この条件を満たす保険薬局があるとこの地域に住む人たちは大分安心して医療機関にかかることが出来そうですね。
正直、この資格を取るだけであれば地域支援体制加算というものが存在し、計算方法が分かるだけで問題は解けてしまいます。
ただ、それでは勉強にならないかなと思うので、分からない表記がないかどうか見てみます。
私が書いてきた記事の中になかった気がするのは、薬剤服用歴の記録、一般医薬品のあたりでしょうか。。
これらの意味を調べてみます!
薬剤服用歴:患者ごとの処方の内容や調剤、指導事項など薬剤の服用歴を記録したもの(カルテに該当)
一般医薬品:主にドラッグストアなど薬店・薬局で販売されている薬
※一般用医薬品のほかには医療用医薬品があり、こちらは病院や診療所などで医師の処方箋に基づいて投与される薬となっています。
処方箋をもとに調剤するのは医療用医薬品が該当しますね!
薬剤服用歴は、どんな処方・調剤・指導があったか記録しておくものとなっているのですね。
薬局ごとにこのようなものがあるなんて驚きですよね。。
私はいつも医療機関の近くの薬局で処方してもらっているので別の医療機関を利用すると別の薬局を使うことになってしまっていました。。
おそらく問題はないのだと思いますが、色んな場所に私の薬剤服用歴があると思うとなんとも申し訳ない気持ちにもなりますね。。
一般医薬品はルルやイブなどドラッグストアで買うことが出来る医薬品が該当するようですね。
保険薬局にも置いてあることがあるのですね、気づかなかったです。
地方支援体制加算は厚生労働大臣が定める施設基準に適合しており、届け出もされている保険薬局に対して算出できるということを把握しておけばOKだと思います。
施設基準の内容はざっと確認し、どこを見れば内容を確認できるか認識しておけば試験も安心ですね!
②地域支援体制加算の記入方法
地域支援体制加算は、処方箋受付1回に対して38点を加算します。
この加算の値は調剤基本料1、2、3イ、3ロ、特別調剤基本料のいずれかと足し合わせ、レセプトの調剤基本料の部分に記載します。
このように書かれても分かりにくいかと思いますので、例題を解いてみましょう!
該当する調剤基本料に対して足し合わせていくだけなので、例題は今回は1題のみとしますね。
調剤基本料の点数も確認する必要があるので再掲しておきますね。
表1 調剤基本料とその要件・点数
要件 | 点数 | |
調剤基本料1 | 下記全ての条件に当てはまらないもの もしくは医療資源の少ない地域にある保険薬局 | 42点 |
調剤基本料2 | 処方箋受付回数及び集中率が下記のいずれかに該当する保険薬局 ①月4,000回超かつ集中率70%超 ②月2,000回超かつ集中率85%超 ③月1,800回超かつ集中率95%超 ④特定の保険医療機関に係る処方箋が月4,000回超 | 26点 |
調剤基本料3イ | 同一グループの保険薬局の処方箋受付回数の及び集中率が 下記のいずれかに該当する保険薬局※ ①同一グループ月3.5万回超〜4万回以下かつ集中率95%超 ②同一グループ月4万回超〜月40万回かつ集中率85%超 | 21点 |
調剤基本料3ロ | 同一グループの保険薬局の処方箋受付回数の及び集中率が 下記のいずれかに該当する保険薬局※ ①同一グループ月40万回超〜かつ集中率85%超 | 16点 |
特別調剤基本料 | 下記のいずれかに該当する保険薬局 ①集中率70%超かつ特定の医療機関と不動産取引など特別な関係にあるもの ②地方厚生(支)局長に届出をしていない薬局 | 9点 |
例題
下記の処方をされた場合のレセプトの調剤基本料欄を埋めましょう。
<処方箋>
保険薬局の所在地及び名称 保険薬剤師氏名欄
調剤基本料1
地域支援体制加算
フローというまででもないかもしれませんが、私がいつも考えるときのフローを書いてみますね!
- 調剤基本料はどれに該当する確認する
- 地域支援体制加算に該当するか確認する
- 該当する調剤基本料+地域支援体制加算を計算する
- レセプトの調剤基本料欄へ該当する調剤基本料の略称、地支と書きそれぞれを四角で囲み、計算値を下に記入する
調剤基本料の略称は下記の通りです。
- 調剤基本料1 基A
- 調剤基本料2 基B
- 調剤基本料3イ 基C
- 調剤基本料3ロ 基D
- 特別調剤基本料 基E
問題を解く際に楽が出来るように調剤基本料名・略称・点数の表を作っておきます。
表2 調剤基本料名と略称・点数
略称 | 点数 | |
調剤基本料1 | 基A | 42点 |
調剤基本料2 | 基B | 26点 |
調剤基本料3イ | 基C | 21点 |
調剤基本料3ロ | 基D | 16点 |
特別調剤基本料 | 基E | 9点 |
当たり前のことかもしれませんが、フローにしておくとすこしすっきりしますね。
このフローに従って調剤基本料欄へ記入する内容を考えていきます!
処方箋に調剤基本料1と記載されているので、今回は調剤基本料1に該当することが分かります!
こちらも処方箋に地域支援体制加算と記載されているので、地域支援体制加算に該当するということを読み取れます。
処方箋で確認すべき場所が保険薬局の所在地及び名称 保険薬剤師氏名欄であるということのみ忘れずにいれば確認は簡単ですね!
今回は調剤基本料1だったので、表1もしくは2を見て点数を確認すると42点であることが分かります。
これに地域支援体制加算38点を足し合わせます。
42+38=80
このことから80点であることが分かります。
該当する調剤基本料は調剤基本料1だったので、こちらの略称を確認します。
調剤基本料1の略称は基Aですね。
調剤基本料1の略称『基A』、『地支』を書き、これらをそれぞれ四角で囲み、計算値80を下に記入します。
今までは右側に全て書いていたのですが、調剤基本料欄へは点数は下に書くという違いに注意しましょう!
そもそも書く欄が横が狭いので気づくかもしれませんが、一応覚えておきましょう。
実技問題を解く際には、保険薬局の所在地及び名称 保険薬剤師氏名欄を見ればどの調剤基本料・地域支援体制加算に該当するか、簡単に確認することができます!
難しいことはないかもしれませんが、うっかり略称をミスしてしまったり、点数を間違えたりは時々してしまっていたのでその点はよく確認しておくと安心かもしれません。。
ここまで読んで下さりありがとうございました。