今回は 嚥下困難者用製剤加算についてまとめてみます!
- 嚥下困難者用製剤加算とは?
- 計算・記入方法
の2本立てで書きますね。
目次
嚥下困難者用製剤加算とは
嚥下困難者用製剤加算は下記のように定義されます。
嚥下障害があり、市販されている医薬品の剤形では服用が困難な患者に対して医師の了解を得たうえで
剤形を加工してから調剤を行った場合に処方箋の受付1回につき1回算定する。
※嚥下:のみくだすこと
ここで言う剤形の加工とは錠剤をつぶす、カプセルを外したりすることを指します。
飲み込む薬の中でも内服薬のみに適用され、屯服薬に対しては加算されません。
飲み込むことが困難な人に対して、より飲みやすい形状に加工した場合に加算されるものなのですね。
飲み込むことが困難だが、粉薬であれば飲み込める人ってどんな人なんですかね。。
私の祖父はパーキンソン病だったので、飲み込むことが困難というか出来ない状態でした。
胃ろうで栄養を摂取するような状態だったのですが、確か薬は祖母がすり鉢で混ぜた後少しのお湯で溶かして、胃ろうに入れていたような気がします。
もしかしたら、嚥下困難者用製剤加算の対象者だったかもしれないですね。
※全て私の幼い頃の記憶の範囲なので、もしかしたら間違いかもしれないですし、現在の治療法とは異なるかもしれません。。
私の一意見なのでその点にご留意いただけると助かります。
嚥下困難者用製剤加算の計算・記入方法
嚥下困難者用製剤加算は、受付1回につき80点を算出します。
※同時に加算不可:計量混合調剤加算、一包化加算および自家製剤加算
受付1回に対して1回の算出という制限のある加算項目ですね。
同時に加算することが出来ない加算に 計量混合調剤加算、一包化加算および自家製剤加算があることは注意しましょう!
嚥下困難者用製剤加算を算出する際の私のフローを書いてみます。
- 錠剤をすべてつぶす、粉砕するなどの記載があるか確認する
- どの薬剤が嚥下困難者用製剤加算に該当するか考える
- 嚥下困難者用製剤加算を算出した薬剤のうち一番上にあるもののレセプトの加算料欄に□、その中に困と書き、80と記入する
- 嚥下困難者用製剤加算を算出した薬剤のうち一番上以外にあるものは特に何も記入なし
驚くほどすっきりとしたフローとなりました。
嚥下困難者用製剤加算は私が解いてきた問題の中でレセプト作成問題で1題、学科問題で1題のみとあまり数が多くない印象ですが、時々出題されるのかなというイメージです。
時々出題されるものは、出てきて一番厄介なものになると思います。。
内容は難しくはないのでいつものように例題を解いてみて理解しておきましょう!
今回も2題作ってみます。
例題1
下記のように処方された場合の嚥下困難者用製剤加算を求め、加算料に記入しましょう。
<処方箋>
錠剤A 3T 毎食後 14日分
錠剤B 3T 毎食後 14日分
備考欄:錠剤すべてつぶす □の中に困
まずは、内服薬が1調剤分のみ処方されている場合を考えてみましょう。
まずは、嚥下困難者用製剤加算を算出する必要があるか確認してみましょう!
今回は処方箋の備考欄に□の中に困と嚥下困難者用製剤加算のマークがついているほか、錠剤をすべてつぶすとの記載があるため嚥下困難者用製剤加算を算出します。
嚥下困難者用製剤加算が算出できるのは内服薬のみでした。
今回処方されている薬剤は①錠剤A 3T 毎食後 14日分、②錠剤B 3T 毎食後 14日分とあるので両方とも内服薬で、同じ服用タイミング・処方日数なので1調剤としてまとめられますね。
なので、今回は錠剤A・錠剤Bが嚥下困難者用製剤加算に該当するということが分かります。
その中に困と書き、右側に80と記入する。
錠剤A・錠剤Bが嚥下困難者用製剤加算に該当することをフロー2で確認したのでこの加算料欄に□、その中に困と書き、右側に80と記入します。
今回は対象となる薬剤が1調剤分のみなのでフロー4はスキップします。
嚥下困難者用製剤加算の対象か分かれば、難しくはなさそうですね!
例題2
下記のように処方された場合の嚥下困難者用製剤加算を求め、加算料に記入しましょう。
<処方箋>
錠剤A 3T 毎食後 14日分
顆粒B 3.0 毎食後 14日分
錠剤C 2T 朝・夕食後 7日分
顆粒D 4.0 朝・夕食後 7日分
備考欄:嚥下障害があるため錠剤すべて粉砕
次に、内服薬が2調剤分処方されている場合を考えてみましょう。
備考欄に嚥下障害があるため錠剤すべて粉砕とあるため、嚥下困難者用製剤加算の対象であることが分かりますね。
今回処方されている薬剤は、全て内服薬であることは服用タイミング・処方日数が記載されていることから分かりますね。
見やすいように、1調剤毎に分けてみましょう。
- 錠剤A、顆粒B 毎食後 14日分
- 錠剤C、顆粒D 朝・夕食後 7日分
服用タイミング・処方日数が同じものがあったので2調剤分に分けることが出来ました。
内服薬で、形状を変える必要のある薬剤(今回は錠剤)が嚥下困難者用製剤加算の対象なので、① 錠剤A、顆粒B 、 ②錠剤C、顆粒D ともに対象であることが分かります。
その中に困と書き、右側に80と記入する。
今回、嚥下困難者用製剤加算の対象であった薬剤のうち一番上にあるもの①錠剤A、顆粒B のレセプトの加算料欄に□、その中に困と書き、右側に80と記入しましょう。
嚥下困難者用製剤加算を算出した薬剤のうち一番上以外にあるものは②錠剤C、顆粒Dが該当しますね。
こちらは、加算料欄に何も記入しません。
このフローに何も記入しないを入れたのは、一包化加算と差別化するためです。
2つ目以降は、加算料欄に記載しないということを忘れないようにしましょう!
私はうっかり入れてしまったことがあります。。
嚥下困難者用製剤加算自体は難しくないと思うので、どのように加算するか、忘れないようにしておきましょう。
ここまで読んで下さりありがとうございました。