今回は、一包化加算についてまとめてみます!
- 一包化加算とは?
- 計算・記入方法
の2本立てで書きますね。
目次
一包化加算とは?
一包化加算は下記のように定義されます。
2剤以上の内服薬もしくは1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合に投与日数が7日もしくはその端数が増すごとに所定点数を算定すること
やはり、このような説明書きは難しい感じがしますね。。
一包化する際には一包化するようにとの記載があるので、それを確認して、どの薬剤を一包化することが出来るか判断できるようにすることが大切です。
その判断方法などはこの後の記入方法の部分で書いていきますね!
あとは、一包化加算が何のためにあるのか知っておきましょう。
一包化加算は、投与されている薬剤が多い場合に患者の飲み忘れや飲み間違いを防止するために医師による指示のもと、薬剤師が一包化したときに算定されます。
年を取ってくると薬も増えてきますし、いつどれを飲んだか分からなくなってきてしまいそうな気がしますよね。。
間違えて何度も薬を飲んでしまったり、飲み忘れたりすると薬の効果を十分得られなくなったりもするのでそうならないようにする必要があります。
これらを防ぐために、毎食後、朝・夕食後のように出された薬を朝食後はこれ、昼食後はこれ…とそれぞれのタイミングで飲む分をまとめることを一包化すると言います。
本人でなくても、介護の現場等で薬を飲むのを管理する必要がある人にとっても一包化してあると助かりそうですね。
一包化加算の計算・記入方法
一包化加算は42日以下の場合は、34点/7日分、43日以上は240点を算出します。
具体的に書くと下記の通りになります。
- 1日~7日分:34点
- 8日~14日分:68点
- 15日~21日分:102点
- 22日~28日分:136点
- 29日~35日分:170点
- 36日~42日分:204点
- 43日以上:240点
一包化加算の定義の部分で 「7日もしくはその端数が増すごとに所定点数を算定すること 」とありました。
これは何のことか具体例を見ながら考えてみます。
7日分ごとに一包化加算は増えていくので処方日数/7をします。
9/7=1.2857…
ここで1と端数が出ていることが分かります。
この端数が出たら切り上げます。
なので、今回は2となります。
これに34をかけます。(7日当たり34点なので)
すると、34×2=68点となります。
端数が出たら切り上げる、この処理が
「7日もしくはその端数が増すごとに所定点数を算定すること 」
にあたると思います。
調剤報酬点数表には 一包化加算は42日以下の場合は、34点/7日分、43日以上は240点という記載しかないので、自分で加算料を計算する必要があります。
一包化加算を算出する際の私のフローを書いてみます!
- 一包化の記述があるか確認する
- どの薬剤を一包化できるか考える
- 一包化の日数が何日になるのか考える
- 日数に対応する一包化加算料を算出する
- 一包化加算料を算出した日数の薬剤のレセプトの加算料欄に□、その中に包と書き、計算した一包化加算料を記入する
- 一包化したその他の薬剤のレセプトの加算料欄に□、その中に包と記入する
一包化は2剤もしくは1剤のうち3種類の薬剤がある場合に行えますが、1剤ずつが同じ処方日数なこともあれば違う処方日数であることもあると思います。
その際に3~6の処理が必要になります。
5,6にある□+包のマークはこの薬剤で一包化しましたよのマークとなります。
つらつらと書いても分かりにくいと思うので、具体例を書いてみます!
例題1
下記のように処方された場合の一包化加算料を求め、加算料欄に記入しましょう。
<処方箋>
錠剤A 2T 朝・夕食後 7日分
カプセルB 2C 朝・夕食後 7日分
錠剤C 4T 朝・夕食後 7日分
※内服薬一包化
1剤で3種類処方され、かつ、一包化の指示が出ている場合の加算料を求めてみましょう!
まずは、一包化の必要があるか確認します。
内服薬一包化との記述がありますね!
錠剤A・カプセルB・錠剤C全て同じ服用タイミング・処方日数なので、これらは1剤とすることが出来ます。
1剤で3種類の薬剤が処方された場合、一包化加算を算出できると定義されていました。
なので、今回一包化するのはこの3種類の薬剤となります。
今回の場合は、1剤で処方日数は7日なので一包化の日数も7日であると考えられます。
一包化加算料を計算しましょう。
まずは7で割ります。
7日/7=1
これに34点をかけます。
1×34=34点
今回は割り切れたので簡単でしたね!
その中に包と書き、計算した一包化加算料を記入する
一包化加算を算出した日数の薬剤は 錠剤A・カプセルB・錠剤C でしたね。
これらの薬剤のレセプトの加算料欄に□、その中に包と書き、右横に34と記入しましょう。
6は他に薬剤があった場合のフローなのでスキップします。
これで一包化加算料の計算は終わりです!
1剤3種類の場合の一包化加算料は簡単に求められますね。
例題2
下記のように処方された場合の一包化加算料を求め、加算料欄に記入しましょう。
<処方箋>
錠剤E 1T 朝食後 15日分
錠剤F 1T 朝食後 15日分
錠剤G 1T 夕食後 18日分
カプセルH 3C 毎食後 3日分
錠剤I 3T 毎食後 3日分
※内服薬一包化
3剤が処方され、それぞれの処方日数が異なる場合の一包化加算料を求めてみましょう。
自分で書きながら盛りだくさんで嫌になってきそうな問題です。。
フローに沿ってみてみましょう!
まずは落ち着いて一つ目のフローですね。
内服薬一包化との記述があるのを確認できますね。
まず、一包化できるかとの判断をする前に何剤の薬剤が出ているか確認してみましょうか。。
①錠剤E・錠剤F 朝食後 15日分
②錠剤G 夕食後 18日分
③カプセルH・錠剤I 毎食後 3日分
服用タイミング・処方日数が同じもので1剤にまとめられるものはまとめてみました。
今回は3剤が処方されているようですね。
これらは服用タイミングを見てみますと、朝食後・夕食後・毎食後となっています。
朝食後は①③、昼食後は③のみ、夕食後は②③とまとめられそうなので①・②・③で一包化は可能であると考えられます。
3剤それぞれの処方日数を見てみます。
①錠剤E・錠剤F 朝食後 15日分
②錠剤G 夕食後 18日分
③カプセルH・錠剤I 毎食後 3日分
一包化するためには2剤以上もしくは1剤の中で3種類以上必要でしたね。
一包化の日数は算出できる範囲で出来るだけ長くして加算を最大限に取りたいので日数が長い順番で考えていきます。
日数だけで見ると②錠剤Gが18日分と長いですが、これは1剤で1種類しかないためこれだけでは一包化できません。
次に長いものを探してみると、① 錠剤E・錠剤F の15日分となります。
これを含めれば、2剤以上となるので一包化出来そうです。
今回は一包化の日数を15日分とします!
このように、一包化の日数を決める際には 2剤以上もしくは1剤の中で3種類以上という一包化加算の定義を思い出す必要があるので注意が必要です。
一包化加算料を計算しましょう。
まずは7で割ります。
15日/7=2.1428…
今回は端数があるので切り上げて3とし、これに34をかけます。
3×34=102点
一包化加算料は102点と計算出来ました。
その中に包と書き、計算した一包化加算料を記入する
今回は ①錠剤E・錠剤F 朝食後 15日分 の処方日数で一包化加算料を算出しましたね。
この錠剤E・錠剤Fのレセプトの加算料欄に□、その中に包と書き、右横に102と記入しましょう。
一包化したその他の薬剤は②錠剤G・③カプセルH・錠剤Iでした。
この2剤についてそれぞれのレセプトの加算料欄に□、その中に包と記入します。
この一包化しましたよマークを記入し忘れることが多いので注意しましょう!
私はよく忘れてしまっていました。。
一包化加算料は他の加算と比較しても随分分かりにくいものだと思うので納得できるまで繰り返し実技・学科問題を解くことをお勧めします。
今回は長かったですね。。
ここまで読んで下さりありがとうございました!