【調剤事務管理士】独学で資格取得! 理系主婦のノート:かかりつけ薬剤師指導料①

今回はレセプト作成の学科試験で出題される

  • かかりつけ薬剤師指導料とは
  • 算定要件
  • かかりつけ薬剤師の選択方法

上記3点をまとめていこうと思います。

かかりつけ薬剤師についての記事はとても長くなりそうなので、2回に分けることとします。

「かかりつけ薬剤師指導料とはどんなものなのか知りたい」といった方に読んでいただけると嬉しいです!

あざらし
あざらし

今回は、薬学管理料のベースとなる部分を説明していきます!

こちらは問題として私が解いたことがないため、例題はなしとなります。

かかりつけ薬剤師指導料とは

かかりつけ薬剤師指導料は薬学管理料のうちの1つです。

定義としては

かかりつけ薬剤師指導料

あらかじめかかりつけ薬剤師指導料を行うと届け出た薬局において、患者が選択したかかりつけ薬剤師が処方医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で、患者に対して服薬指導などを行うことで算出できる薬学管理料のこと

となります。

あざらし
あざらし

薬剤服用歴管理指導料以降は加算をひたすらまとめてきましたが

こちらは薬学管理料のうちの1つとなるようですね。

かかりつけ薬剤師指導料の算定要件

かかりつけ薬剤師についてざっくりは分かりましたが、細かくはまだ全然分からないのでまずは算定要件を調べていきます。

算定要件は下記の通りです。

  • 保険医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で、下記※1の服薬指導を行う
  • お薬手帳にかかりつけ薬剤師の氏名・勤務先の保険薬局の名称及び連絡先を記載する
  • 患者に対する服薬指導などの業務はかかりつけ薬剤師が行うことを原則とする
  • かかりつけ薬剤師指導料を算定する患者以外への服薬指導・地域住民からのよう指導医薬品などの仕様に関する相談及び健康維持増進に関する相談についても丁寧に対応+必要があれば保険医療機関への受信勧奨する
  • 『麻薬管理指導加算』・『重複投薬・相互作用等防止加算』・『特定薬剤管理指導加算1』・『特定薬剤管理指導加算2』及び『乳幼児服薬指導加算』の取り扱いは薬剤服用歴管理指導料に準じるものとする※2
  • 育児・介護などで勤務時間が32時間に満たない薬剤師が算定する場合には下記※3の説明などの対応を行う

※1 かかりつけ薬剤師が行う服薬指導の内容

  • 患者の理解に応じた適切な服薬指導などを行う
  • 服薬中の薬剤などについて患者の意向を確認し、服薬指導などの内容をお薬手帳などに記載する
  • 患者が受診している全ての保険医療機関・服用している処方薬・要指導医薬品及び一般用医薬品・健康食品などについてすべて把握する
  • 保険医療機関を受診する場合、他の保険薬局で調剤を受ける場合にはかかりつけ薬剤師がいることを伝えるよう説明する
  • 患者から24時間相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先を伝えるとともに勤務表を作成して患者に渡す
  • 他の保険薬剤師が相談などに対応する場合には、その旨を患者に説明し、当該保険薬剤師の連絡先を伝える(こうすることで、他の薬剤師が対応することが出来る)
  • 患者が他の保険薬局などで調剤を受けた場合は、服用薬剤の情報を入手し、薬剤服用歴の記録に記載する
  • 調剤後も患者の服用状況の把握・指導を行い、その内容を薬剤を処方した保険医に情報提供し、必要に応じて処方提案する
  • 服用中の薬剤に係る重要な情報を知った時には、患者に対し当該情報を提供する+患者への指導などの内容・情報提供した内容を薬剤服用歴に記載する
  • 服用中の薬剤などを入れる袋を必要に応じて提供し、いわゆるブラウンバッグ運動の意義などを説明する
  • 患者が薬剤などを持参した場合は服用役の整理などの薬学的管理を行う(必要に応じ、患者の家へ訪問し服用役の整理などを行う。この際の交通費は患者の負担となる。)
  • 必要に応じ、患者が入手している調剤及び服薬指導に必要な血液・生化学検査結果の提示について、患者の同意が得られた場合は当該情報を参考として、薬学的管理及び指導を行う。

※2 『麻薬管理指導加算』・『重複投薬・相互作用等防止加算』・『特定薬剤管理指導加算1』・『特定薬剤管理指導加算2』及び『乳幼児服薬指導加算』については以前の記事をご覧ください!

〇麻薬管理指導加算の記事はこちら!

【調剤事務管理士】独学で資格取得! 理系主婦のノート:麻薬管理指導加算

〇重複投薬・相互作用等防止加算の記事はこちら!

【調剤事務管理士】独学で資格取得! 理系主婦のノート:重複投薬・相互作用等防止加算

〇特定薬剤管理指導加算1の記事はこちら!

【調剤事務管理士】独学で資格取得! 理系主婦のノート:特定薬剤管理指導加算1

〇特定薬剤管理指導加算2の記事はこちら!

【調剤事務管理士】独学で資格取得! 理系主婦のノート:特定薬剤管理指導加算2

〇乳幼児服薬指導加算の記事はこちら!

【調剤事務管理士】独学で資格取得! 理系主婦のノート:乳幼児服薬指導加算に関して確認!

※3 育児休業・介護休業など育児または家族介護を行う労働屋の福祉に関する法律で定める期間であるために当該保険薬局の勤務時間が週32時間に満たない薬剤師が算定する場合にすべき対応

  1. 同意取得にあたり、勤務時間が通常より短いことを説明する
  2. 患者に渡す勤務表には育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律で定める期間であるため短時間勤務となっている旨を記載する
  3. 当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師と当該患者についての情報を共有し、不在時に患者から問い合わせがあった場合等に、円滑に対応できる体制を整えておく
あざらし
あざらし

処方される薬については自分が調剤していないものも全て把握しておく必要があり、すべきことの量も膨大ですね。。

これだけする必要があるかかりつけ薬剤師ってすごいですよね。。

しろいるか
しろいるか

ちょっとした副反応が出てこれって大丈夫なのかとなった場合などに、24時間いつでも対応してもらえるというのは心強いですよね。

私はブラウンバッグ運動が何か分からなかったのでこちらについても調べてみました!

ブラウンバッグ運動
  • 薬局が患者へ袋を提供し、自宅の薬を持参してもらうことで薬剤管理を行う取り組みのこと
  • 日常的に服用している処方薬・OTC薬・サプリメントの副作用や相互作用などの問題をチェック、残薬管理をする
  • 1990年代にアメリカで茶色の紙袋に薬を入れて薬局に持ってくるように働きかけたことから『ブラウンバッグ運動』と名付けられた
あざらし
あざらし

副作用や飲み合わせのチェック、残薬管理をしてくれる取り組みのことなのですね!

確かに、自己申告でこれを飲んでいますと言われるよりも、普段何を飲んでいるか持ってきてもらった方が分かりやすく、確実にチェックできますもんね。

ブラウンバッグ運動について知ることが出来て、勉強になりました。

かかりつけ薬剤師の選択方法

『かかりつけ薬剤師を選択する』とあるのですが、この際にはどんなことをする必要があるかまとめてみますね。

  1. かかりつけ指導料を算出しようとする薬剤師本人が下記全てのこと※を説明する
  2. 患者に同意書(かかりつけ薬剤師に希望することを記載・署名したもの)への記載を求め、同意を得る
  3. かかりつけ薬剤師に関する情報を文書により提供する
  4. 受け取った同意書は当該保険薬局において保管し、当該患者の薬剤服用歴の記録にその旨を記載する

※説明すべきこと

  • かかりつけ薬剤師の業務内容
  • かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割など
  • かかりつけ薬剤師指導料の費用
  • 当該指導料を算定しようとする薬剤師が、当該患者がかかりつけ薬剤師を必要とすると判断した理由
あざらし
あざらし

かかりつけ薬剤師を決める際には、しっかりとしたかかりつけ薬剤師についての説明を受けた上で誰をかかりつけ薬剤師とするか決められるようですね。

ちなみにですが、かかりつけ薬剤師さんがいると、いない場合と比較して60円~100円程度自己負担額が増えるようです。

注意すべきこととしては

  • 同意取得は、当該薬局に複数回来局している患者に行うこと
  • 患者の同意を得た後、次回の処方箋受付時以降に算定可能となること
  • 1人の患者に対して、同一月内は同一の保険薬剤師について算定すること

などがあります!

あざらし
あざらし

1回だけ風邪薬をもらって、その後すぐ治った人などは対象外になりそうですね。

持病持ちの人などはこの制度を利用すると安心かもしれません。

しろいるか
しろいるか

この人をかかりつけ薬剤師とします!と同意書を書いても、その当日からかかりつけ薬剤師指導料が算出されないことは、頭に入れておくといいかもしれませんね!

あざらし
あざらし

1人の人をかかりつけ薬剤師と設定するので、仮にその薬剤師の人が都合が悪くて別の人が調剤した場合でも、かかりつけ薬剤師指導料は算出することは出来ません。

ここまで読んで下さりありがとうございました。

ボリュームが大きく、全て書ききれなかったので、次回レセプトの書き方をまとめる際に続きを書くことにしますね。

またよろしくお願いいたします!

参考:調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603920.pdf