今回は、レセプト作成の実技試験・学科試験を解く際に必要な
- 麻薬管理指導加算とは
- 記入方法
上記2点をまとめていこうと思います。
「麻薬管理指導加算とはどんなものなのか知りたい」「麻薬管理指導加算はどうやって計算・記入するのか知りたい」といった方に読んでいただけると嬉しいです!
今回は、薬学管理料の加算部分を説明していきます!
記入方法の部分では、自分で考えた例題を具体的に解いてみます。
目次
麻薬管理指導加算とは
麻薬管理指導加算は薬学管理料の加算のうちの1つです。
定義としては
麻薬が処方されている患者に対して、
服用方法、残薬・保管状況、副作用の有無などについて指導を行った際に算出することが出来る加算のこと
となっています。
薬局では麻薬は鍵付きの保管庫に入れておく必要があり、厳重な管理がされていました。
自宅での保管についてはどんな指導がされるのか少し調べてみました。
麻薬の保管についての指導内容な下記の通りのようです。
- 人目のつかないところに保存すること
- 他のものと間違えて使用しないよう扉の閉まる棚などに他のものと区別して保管すること
- 紛失・盗難にあった場合は交付された麻薬診療施設もしくは麻薬小売業者に届け出ること など
※盗難の場合は警察にも届け出る
麻薬は鎮痛・鎮静の作用を持つため治療薬として使われることがありますが、同時に強い依存性もあるので取り扱いには十分な注意が必要な薬剤となります。
そのため、麻薬管理指導加算という他とは別の項目を設け、丁寧にしっかりと対応する必要があるのですね。。
間違えて一緒に住んでいる家族が使ってしまったりしたら大変ですもんね。。
麻薬管理指導加算の記入方法
麻薬管理指導加算は、処方箋受付1回につき22点を算定することが出来ます。
麻薬管理指導加算は、薬剤服用歴管理指導料に足し合わせて薬学管理料欄に記入します。
薬学管理料欄に記入する際には、何回分の処方箋受付について薬剤服用歴管理指導料・麻薬管理指導加算を算出したかを略称を四角で囲んだ右側に数字で記載します。
レセプトは何日分も処方した記録を残していることがあります。
処方箋受付1回につき算出するものを算出し忘れないよう、数字を記入するのですね!
これを考慮し、いつものようにフローを作ってみます。
- 薬学管理指導料はどれに該当するか確認する
- 麻薬管理指導加算に該当するか確認する
- 該当する薬剤服用歴管理指導料と麻薬管理指導加算を足し合わせ、薬剤管理料を計算する
- 薬学管理料欄に【薬剤服用歴管理指導料の略称】該当する受付回数【麻】該当する受付回数を上段に、計算した薬剤管理料を下段に記入する(【】の中身は四角で囲む)
問題を解く際にどの薬剤管理指導料に該当するか判断すること、薬剤管理指導料の略称・点数が必要となるためその表などを再掲しておきますね。
表1 薬剤服用歴管理指導料の略称と点数
薬剤服用歴 管理指導料1 | 薬剤服用歴 管理指導料2 | 薬剤服用歴 管理指導料3 | 薬剤服用歴 管理指導料の特例 | |
3カ月以内 手帳あり | 薬A(43点) | ー | 薬3A(43点) | 薬特A(13点) |
3カ月以内 手帳なし | ー | 薬B(57点) | 薬3B(43点) | 薬特B(13点) |
3カ月以内以外 | ー | 薬C(57点) | 薬3C(43点) | 薬特C(13点) |
〇薬剤服用歴管理指導料4:薬オ(43点)
〇薬剤服用歴管理指導料の特例(情報通信機器を用いた服薬指導):特薬オ(13点)
- 薬剤服用歴管理指導料1:3カ月以内に処方箋を持参+お薬手帳あり
- 薬剤服用歴管理指導料2:上記以外(3カ月以内に処方箋を持参+お薬手帳なし、3カ月以内以外)
- 薬剤服用歴管理指導料3:特別養護老人ホーム入所者
- 薬剤服用歴管理指導料4:情報通信機器を用いた服薬指導をした場合
- 薬剤服用歴管理指導料の特例:特例に該当する保険薬局が対応した場合
※特例に該当する場合は各種加算は算定不可
例題1
まずは、処方箋受付が1回の場合を考えてみましょう!
下記のように処方箋に記載されている場合、薬学管理料欄に記入してみましょう。
<処方箋>
調剤済年月日:令和3年9月21日
備考欄:※令和3年8月に処方箋による調剤実施
※麻薬に関する必要な薬学的管理と指導を実施
では、フローに従って考えていきましょう!
まずは、薬剤服用歴管理指導料がどれに該当するか確認しましょう。
薬剤服用歴管理指導料は
- 3カ月以内に処方箋を持参・調剤されているか
- お薬手帳の有無
を確認し、判断していきます。
(他にも、特別養護老人ホーム入居者・情報通信機器を用いた服薬指導・特例に該当する保険薬局での対応によって薬学管理指導料の名称・点数は異なりますが、資格試験では出題されていません。)
- 3カ月以内に処方箋を持参・調剤されているか確認!
前回~今回で処方箋による調剤の期間がどれだけあいているか確認するには、前回処方箋による調剤はいつされたかは備考欄を、今回の調剤はいつされたかは調剤済年月日を見ればOKです!
3カ月以上あいている場合は、備考欄に3カ月以内に処方箋の持参なしと記載されることもあります。
今回の処方箋調剤済年月日は『令和3年9月21日』であるのに対し、備考欄には『令和3年8月に処方箋による調剤実施』と記載があります。
この期間は3カ月以内となることが分かりますね!
- お薬手帳の有無確認!
お薬手帳の有無はない場合のみ備考欄に記載されると思われます。
※公式の問題にはお薬手帳はあるものとして出題されていました。
今回は特に記載がないため、お薬手帳は持参されていると考えます。
お薬手帳あり+3カ月以内に処方箋を用いた調剤がなされているため、今回は薬剤服用歴管理指導料1 が該当することが分かります。
備考欄をチェックします!
『※麻薬に関する必要な薬学的管理と指導を実施 』とあるため、麻薬管理指導加算に該当することが分かります。
今回は
- 薬剤服用歴管理指導料1:43点
- 麻薬管理指導加算:22点
が該当し、いずれも処方箋受付1回に対するものなので1回分ずつ足し合わせます。
43点(薬剤服用歴管理指導料1)+22点(麻薬管理指導加算)=65点
薬剤管理料は65点と計算出来ました!
まず、略称を確認します。
薬剤服用歴管理指導料1が該当していたので略称は『薬A』ですね。
これより、上段:【薬A】1【麻】1、下段:65と記入すればOKです。
(※【 】は実際には中に書いてある文字を四角で囲みます)
例題2
次に、処方箋受付が2回の場合を考えてみましょう!
少し煩雑になりますが、頑張りましょう。
下記のように処方箋に記載されている場合、薬学管理料欄に記入してみましょう。
<処方箋①>
調剤済年月日:令和3年9月1日
備考欄:※3カ月以内に処方箋の持参なし
※麻薬に関する必要な薬学的管理と指導を実施
<処方箋②>
調剤済年月日:令和3年9月8日
備考欄:※麻薬に関する必要な薬学的管理と指導を実施
では、フローに従って考えていきましょう!
まずは、薬剤服用歴管理指導料がどれに該当するか確認しましょう。
薬剤服用歴管理指導料は処方箋を3カ月以内に調剤をされているか・お薬手帳を持ってきているかを確認し、判断していきます。
- 3カ月以内に処方箋を持参・調剤されているか確認!
処方箋受付が3カ月以内にされているかそれぞれの処方箋についてチェックしてみます。
- 処方箋①:備考欄に『※3カ月以内に処方箋の持参なし』と記載があるため、3カ月以内の処方箋受付なし
- 処方箋②:1枚目の処方箋の調剤済年月日『令和3年9月1日』⇒2枚目の処方箋の調剤済み年月日『令和3年9月8日』とあるため、3カ月以内の処方箋受付あり(1カ月未満)
- お薬手帳の有無確認!
処方箋2枚とも特に記載がないため、お薬手帳は持参されていると考えます。
これより、
- 処方箋①⇒薬剤服用歴管理指導料2 薬C(3カ月以内に処方箋を持参なし)
- 処方箋②⇒薬剤服用歴管理指導料1 薬A(3カ月以内に処方箋を持参・お薬手帳あり)
に該当することが分かります!
備考欄をチェックします!
処方箋①・②ともに備考欄に『※麻薬に関する必要な薬学的管理と指導を実施 』とあるため、麻薬管理指導加算に該当することが分かります。
今回は
- 薬剤服用歴管理指導料1 薬A(処方箋②):43点
- 薬剤服用歴管理指導料2 薬C(処方箋①):57点
- 麻薬管理指導加算(処方箋①・②両方):22点
が該当するため、これらを足し合わせていきます。
今回は麻薬管理指導加算が処方箋受付2回分なのでそちらは×2します。
43点(薬剤服用歴管理指導料1)+57点(薬剤服用歴管理指導料2)+22点(麻薬管理指導加算)×2=144点
薬剤管理料は144点と計算出来ました!
まず、略称を確認します。
薬剤服用歴管理指導料1 薬A⇒略称は『薬A』、『薬剤服用歴管理指導料2 薬C』⇒略称は『薬C』ですね。
これより、上段:【薬A】1【薬C】1【麻】2、下段:144と記入すればOKです。
(※【 】は実際には中に書いてある文字を四角で囲みます)
実技試験は3題中2問は処方箋2枚の問題となり、ものによっては処方箋受付2回分のレセプトを作成することになります。
処方箋受付2回分となると、この薬学管理料の部分の計算が少し難しくなるので注意しましょう!
私はこの数字部分をよく書き忘れたり、計算し損ねたりしていました。。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
また、よろしくお願いいたします!