今回はレセプト作成の実技試験で必要な
- 内服薬の調剤量の算出の仕方
- 記入方法
上記の2点をまとめていこうと思います。
記入方法のところには、自分で考えた例題を入れておきます。
目次
内服薬の調剤料
処方された薬剤の種類によって、異なる点数を調剤料として算定します。
つまり、調剤料は
- 内服薬か内服用滴剤
- 屯服薬
- 浸煎薬
等の種類により異なる点数を加算していくことになります。
ものによって、何調剤でも加算できるものがあったり
3調剤までだったり、受付1回につき1回までだったりと本当に色々です。
この調剤料の部分は、日本薬剤師会が調剤報酬改定について点数表を出して下さっているのでそこを確認すれば最新の調剤報酬点数表を確認することが出来ます!
参考:日本薬剤師会 https://www.nichiyaku.or.jp/pharmacy-info/document/r02.html
もちろん、最新のテキスト・教科書を見ても新しい調剤報酬点数表を確認出来ます。
内服薬の調剤料の記入方法
内服薬は、今までも何度か出てきた1剤につき調剤料を算出します。
※1回の受付では3剤分まで算出可能です。
内服薬の調剤料は処方された日数により点数が異なります。
その点数を最新の調剤報酬点数表から抜粋して表にしてみます。
表1 内服薬の調剤料
処方日数 | 調剤料 |
7日分以下 | 28点 |
8~14日分 | 55点 |
15~21日分 | 64点 |
22~30日分 | 77点 |
31日分以上 | 86点 |
https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/pharmacy-info/2021/0330-list.pdf
内服薬の1剤の考え方については一度まとめているのでそちらを確認してみてくださいね。
1剤の考え方は、「服用タイミングが同じものは投与日数にかかわらず1剤とする」というものでしたね!
具体例で確認してみましょう。
例題1
下記の処方箋に対して調剤料を算出し、レセプトの調剤料欄を埋めましょう。
<処方箋>
錠剤A 3T 分3 毎食後 7日分
顆粒B 6.0g 分3 毎食後 21日分
同じ服用タイミングで、異なる処方日数の2種類の内服薬を処方されたパターンですね。
内服薬の調剤料を算出・記入するためのフローは、私の中ではこんな感じです。
- 内服薬であるか判断する
- 服用タイミングが同じものがあるか確認する
- 何日分処方されているか確認する
- 3剤以上あれば、調剤料が多いものから3剤を選択しそれ以外に調剤料0と記入する
- 服用タイミングが同じものがなければ、その薬剤の処方日数で調剤料を算出する
- 服用タイミングが同じものがあれば、処方日数が多いほうで調剤料を算出する
- 服用タイミングが同じものがあれば、処方日数が少ないほうは調剤料0と記入する
このフローに沿って今回の例題を考えてみましょう。
まずは、今回の処方箋を確認しましょう。
錠剤・顆粒との記載があり、服用タイミング・処方日数が記載されていることから内服薬であることが分かりますね!
今回の2種類の薬剤は両方とも毎食後に服用するものなので服用タイミングは同じですね。
処方日数も確認します。
錠剤Aは7日分、顆粒Bは21日分となっています。
違う日数であるということを認識しておきます。
今回処方されたものは同じ服用タイミングの内服薬が2種類で1剤のみなので、4・5番はスキップします。
今回処方されたものは錠剤Aは7日分、顆粒Bは21日分となっていたので顆粒Bの21日分で調剤料を算出します。
表1の21日分が該当する箇所を探してみると、15~21日分の64点であることが分かります。
これをレセプトの顆粒Bの調剤料欄に記載します。
今回は、服用タイミングが同じものがあり、処方日数が少なかったのは錠剤Aですね。
レセプトの錠剤Aの調剤料欄に0を記載します。
この6・7でしたことが、同じ服用タイミングで日数が異なるものを1剤としてまとめるということになります。
具体的にみると分かりやすいですね!
例題2
下記の処方箋に対して調剤料を算出し、レセプトの調剤料欄を埋めましょう。
<処方箋>
錠剤C 3T 分3 毎食後 7日分
顆粒D 2.0g 分2 朝・夕食後 10日分
錠剤E 4T 分2 朝・夕食後 15日分
錠剤F 1T 就寝前 3日間
液剤G 6mL 分3 毎食後 14日分
同じ服用タイミングのものがあったり、3剤より多く処方されていたりと盛り沢山な内容にしてみました。
フローに従ってみてみましょう。
例題2で処方されたものも全て口から飲んで服用するタイプの薬剤の種類で、服用タイミング・処方日数が記載されていることから内服薬であることが分かりますね!
※液剤Gは何滴単位での服用でないので内服用滴剤ではありません。内服薬ですね!
錠剤C・液体Gは毎食後という点では服用タイミングは同じですが、内服用液剤と内服用固形剤は1剤にまとめることはできません。。
顆粒D・錠剤Eは朝・夕食後服用なので服用タイミングが同じであることが分かります!
錠剤C・錠剤F・液剤Gは服用タイミングが同じものはありません。
錠剤C:7日分、顆粒D:10日分、錠剤E:15日分、錠剤F:3日間、液剤G:14日分ですね。
顆粒D・錠剤Eの処方日数が異なることを覚えておきます。
今回の場合は4剤処方されているので、処方日数が多いものから3剤を選ぶ必要があります。
4剤は下記の通りになります。
- 錠剤C:7日分
- 顆粒D:10日分、錠剤E:15日分⇒多いほうは錠剤Eの15日分
- 錠剤F:3日間
- 液剤G:14日分
処方日数が多いものから3剤を選択すると②顆粒D:10日分、錠剤E:15日分、④液剤G:14日分、①錠剤C:7日分となりますね。
そのため、3剤に入りきらなかった錠剤Fについてはレセプトの調剤料欄に0と記入します。
現在何も記入されていない服用タイミングが同じものがないのは、錠剤C:7日分、液剤G:14日分ですね。
それぞれ調剤料を表1から探してみましょう。
錠剤C:7日分 ⇒ 7日分以下 28点
液剤G:14日分 ⇒ 8~14日分 55点
この点数をそれぞれ錠剤C・液剤Gのレセプトの調剤料欄に記入します。
服用タイミングが同じだったのは顆粒D:10日分、錠剤E:15日分でした。
処方日数が多いのは錠剤Eなのでこちらで調剤料を算出します。
調剤料を表1から探してみます。
錠剤E:15日分 ⇒ 15~21日分 64点
この64点を錠剤Eのレセプトの調剤料欄に記入します。
今回服用タイミングが同じで処方日数が少なかったのは顆粒Dでしたね!
この顆粒Dのレセプトの調剤料欄に0と記入します。
例題2は1剤でまとめるほか、4剤処方されていたので3剤を選択する必要もありなかなか難しかった気もします。。
でも、この内服薬の調剤料は本当によく出てくるので問題演習を繰り返せば、分かってくる内容かなとも思います。
ここまで読んで下さりありがとうございました!