今日からは、レセプトの調剤報酬点数の加算料部分の名称・記入方法などについてまとめていこうと思います。
加算料部分の第1回目は、
- 調剤報酬点数の加算料とは
- 麻薬加算・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算とは
- 記入方法
について書いていきます。
目次
調剤報酬点数の加算料とは
調剤料の加算とはそもそも何のこと。。と思われるかもしれません。
イメージしやすいように、加算される具体例を少し並べてみます。
- 処方医の指示で飲みやすく薬の形状を変えた
- 扱いに注意が必要な薬剤を調剤した
- 営業時間外に対応した
上記以外にもまだまだありますが、普段している調剤よりも薬剤師の方が手を加えたり、対応外の時間に調剤したりと薬剤師の方の手間が増えた分を決まった項目に対しては加算をしていいことになっています。
加算金額は報酬点数表で決まっており、薬局ごとに勝手に決めていいわけではないので、選んだ処方薬局によって高額な金額を請求されなくて済んでいるのですね。
ただし、処方医が処方した時点や調剤をお願いした時間等で有無が決まっており、私たち患者が付けるか付けないかを選ぶことは出来ないのでその点は少し違います。。
この加算料が種類が多く、一気に紹介は出来ないので、具体例を考える必要がある場合はまた例を入れながらまとめていきたいと思います!
麻薬加算・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算とは
まず、麻薬加算・ 向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算 についてまとめます。
これは名前の通り、処方された薬剤の中に 麻薬 ・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬が含まれる場合の加算になります。
内服薬・屯服薬・外用薬・注射薬どれについても、麻薬・ 向精神薬・覚醒剤原料・毒薬 が含まれる場合は加算することができます。
ちなみにですが、麻薬・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬って何ぞや。。怖いもの。。?と思ってしまうかもしれないので少しまとめてみます。
麻薬
ヘロイン・コカイン・モルヒネ等「麻薬及び向精神薬取締法」において麻薬に指定されているものが該当します。
中枢神経系に作用し、精神機能に影響を与えたり、依存性がありますが、鎮痛作用もあるためがんの痛みを軽減するために用いられることがあります。
向精神薬
中枢神経系に作用し、精神機能に影響を与えますが、中毒性が麻薬よりも低いものが該当します。
抗不安薬・睡眠薬などで用いられることがあります。
覚醒剤原料
覚醒剤の原料として使用されるもので、その含有量が10%以上あるものをいいます。
毒薬
毒性が強いものとして厚生労働大臣が指定する医薬品のことをいいます。
中毒性があったり、精神機能に影響を与えたりと医療の目的でないと危険なものが多そうですね。。
これら麻薬・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬は全て貯蔵方法など厳しく管理されているようです。
特に取扱いに注意が必要なものを調剤する際に加算できる項目と言えそうですね。。
麻薬加算・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算の記入方法
麻薬加算・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算 の点数・記入方法等は下記の通りです。
麻薬を調剤した場合:1調剤につき70点
向精神薬・覚醒剤原料・毒薬を調剤した場合:1調剤につき8点
※同一の薬剤で重複加算は出来ません。
Ex.)麻薬加算・向精神薬加算が同じ薬剤で該当する場合はより高い点数の麻薬加算70点を加算します。
私の知っている限りで加算する際のフローを書いてみますね!
- 麻薬加算・向精神薬・覚醒剤原料・毒薬加算に該当するか確認する
- 麻薬加算に該当する場合、レセプトの該当する薬剤の加算料欄に□の中に麻と書き、その右横に70と記入する
- 向精神薬に該当する場合、レセプトの該当する薬剤の加算料欄に□の中に向と書き、その右横に8と記入する
- 覚醒剤原料に該当する場合、レセプトの該当する薬剤の加算料欄に□の中に覚原と書き、その右横に8と記入する
- 毒薬に該当する場合、レセプトの該当する薬剤の加算料欄に□の中に毒と書き、その右横に8と記入する
※重複で加算は出来ないのでその点は注意が必要です。
重複した場合は、より高い点数を算出できるように加算を選択します。
例題を2つ作ってみます。
例題1
下記薬剤を処方された場合の、加算料が何点となるか求め、加算料の項目を埋めましょう。
<処方箋>
テープA 5枚 麻薬
麻薬加算に該当する薬剤を処方された場合、加算料がどうなるか考えてみましょう!
まずは、該当するか確認していきます。
麻薬加算に該当するかどうかは、
- 薬価基準表を見てみる
- 処方箋の保険薬局の所在地及び名称保険薬剤師氏名欄に麻薬小売業者の免許番号が記載があるかどうかを確認する
ことで判断することが出来ます。
薬価基準表の薬価欄に麻劇と書いてあるものは麻薬加算の対象となります。
今回は麻薬加算の対象です。
麻薬加算に該当するため、レセプトのテープAの加算料欄の中に□の中に麻と書き、右横に70と記入します。
加算料は70点ですね。
ほかのフローは該当しないのでスキップします。
麻薬加算に該当するか分かれば処理は難しくなさそうですね!
例題2
下記薬剤を処方された場合の、加算料が何点となるか求め、加算料の項目を埋めましょう。
<処方箋>
錠剤B 2T 分2 朝・夕食後 5日分 麻薬
顆粒C 4.0 分2 朝・夕食後 5日分 向精神薬
1剤の中に麻薬・向精神薬に該当するものが処方された場合、どのように加算料を決めるのか考えてみましょう。
内服薬だとこのように違う薬剤を1剤としてまとめることが出来ましたね!
同じようにフローで考えてみましょう。
まずはこれらの加算に該当するか確認します。
向精神薬であるか確認する場合でも薬価基準表を確認すれば大丈夫です!
向精神薬の場合には薬価欄に向を記載があります。
今回は麻薬加算・向精神薬加算に該当するようです。
ただ、重複加算は出来ないのでより今回は高い点数の麻薬加算を選択します。
麻薬加算を選択したのでこのフローに沿って進めます。
レセプトの錠剤B・顆粒Cの加算料欄の中に□の中に麻と書き、右横に70と記入します。
加算料は今回も70点ですね。
この加算料は薬価基準表を注意深く見ていれば、薬価欄に麻・向等の記載があるので加算の漏れは少なくすることが出来ると思います。
実技・学科問題ともにほぼ毎回出てくる加算料となっているのでよく覚えておくと安心です!
ただ、私は問題で 覚醒剤原料・毒薬加算 を算出するものを解いたことがないためこれらも同様に処理できるかは分かりません。。すみません。。
ここまで読んで下さりありがとうございました。