今回は学科試験でたまに見かける
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料とは
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料の記入方法
上記2点をまとめていこうと思います。
「在宅患者訪問薬剤管理指導料とはどんなものなのか知りたい」といった方に読んでいただけると嬉しいです!
今回は、薬学管理料のうちの1つである在宅患者訪問薬剤管理指導料について確認していきます!
こちらは問題として私が解いたことがないため、例題はなしとなります。
目次
在宅患者訪問薬剤管理指導料とは
在宅患者訪問薬剤管理指導料は薬学管理料のうちの1つです。
定義としては
在宅での療養を行っている患者で通院が困難な患者に対し、
医師の指示のもと、保険薬剤師が薬学的管理指導を行った場合に算定することができる薬学管理料
となっています。
この定義が長くて分かりにくいのと、条件が十分に記載されていないため、対象患者・対象薬局・どんなことをすると算定対象となるのかをまとめていきたいと思います!
対象者は下記2点を満たす患者となります。
- 在宅での療養を行っている患者
- 通院が困難な患者
※対象とならない場合
- 継続的な訪問薬剤管理指導の必要がない患者
- 通院可能な患者(独歩で家族もしくは介助者の助けを借りずに来局ができる患者)
- あらかじめ名称・所在地・開設者の氏名及び在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生(支)局長に届け出た保険薬局
- 医師の指示に基づき、薬学的管理指導計画(※1)を策定する
- 患家を訪問し、薬学的指導(※2)を行う
- 当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情報提供を文書で行う
- 処方医から提供された診療状況を示す文書
- 必要に応じて処方医に相談
- 他の医療関係職種との間で共有した情報
- 薬剤の管理方法
- 処方薬剤の副作用、相互作用等を確認し、実施すべき指導の内容
- 患家への訪問回数、訪問間隔 など
薬剤の管理方法・指導内容・患家への訪問回数などを記載したものを『薬学的管理指導計画』と呼ばれるのですね!
私の親せきが末期がんになった際に自宅療養していたのですが、病院にも行けていなかった気がするのでもしかしたらこの在宅患者訪問薬剤管理指導の対象となっていたかもしれませんね。
薬局でなくてもこんなにしっかり考えてお薬の指導をしてもらえるのは、とてもありがたいですよね。
※2 薬学的指導の内容
- 薬歴管理
- 服薬指導
- 服薬支援
- 薬剤服用状況・薬剤保管状況及び残薬の有無の確認 など
薬歴管理・服薬指導については、保険薬局に行って調剤してもらう際に算出される薬剤服用歴管理指導料と同じですね。
異なる部分は、服薬支援と薬剤服用状況・薬剤保管状況及び残薬の有無の確認のほうになります。
服薬支援は、『飲み忘れ・飲みすぎ・飲み間違い』を予防するための支援となります。
お年寄りなどがこの在宅患者訪問薬剤管理指導の対象である場合は、とても必要そうな項目ですね。
おそらく、そう簡単に薬局に来れない方のために家に行って対応しているため、しっかり薬剤を服用できているか、薬剤保管が適切に行えているか、残薬の有無ということも確認する必要があるのでしょうね。。
在宅患者訪問薬剤管理指導料の記入方法
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、単一建物に訪問薬剤管理指導を実施した患者が何人いるかによって算出する点数が異なります。
条件・点数は下記の通りです。
表1 在宅患者訪問薬剤管理指導料の条件・点数・略称
当該薬局が訪問薬剤管理指導を実施した患者数 | 点数 | 略称 |
1:単一建物診療患者が1人の場合 | 650点 | 訪A |
2:単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 | 320点 | 訪B |
3:1・2以外 | 290点 | 訪C |
単一建物診療患者の人数によって点数が異なるようです!
家に在宅患者訪問薬剤管理指導が必要とする人が2人いて、同時に見てもらう場合には単一建物診療患者が2人ということになるのですね。
少し点数が下がるのはありがたいですよね。。
ひと月当たりの算定上限は
- 基本⇒月2回以上算定の場合は算定する日の間隔は6日以上とする
- 末期の悪性腫瘍の患者及び中心静脈栄養法の対象患者⇒週2回かつ月8回まで
とされています!
末期の悪性腫瘍の患者さんは痛みが出てしまっていたり、使っている薬が強く管理が必要なのでこういった配慮があるのかもしれませんね。。
在宅患者訪問薬剤管理指導料に加算できる項目としては2つあり、それぞれの条件・点数・略称は下記の通りです。
表2 在宅患者訪問薬剤管理指導料に加算できる加算の条件・点数・略称
条件 | 点数 | 略称 | |
麻薬管理指導加算 | 麻薬の投薬が行われている患者に対して下記対応をした場合 〇服用及び保管状況、副作用の有無を確認 〇必要な薬学的管理及び指導 | 100点 | 麻 |
乳幼児加算 | 在宅で療養を行う6歳未満の乳幼児に対して下記対応をした場合 (直接患者 or その家族等) 〇薬学的管理及び指導 | 100点 | 乳 |
また、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した月に下記薬学管理料の算定は不可となっているようなので、その点については注意しておきましょう!
- 薬剤服用歴管理指導料※
- かかりつけ薬剤師指導料※
- かかりつけ薬剤師包括管理料※
- 外来服薬支援料
- 服薬情報等提供料
※当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病もしくは負傷に係る臨時の処方箋によって調剤を行った場合は算定可能
在宅患者訪問薬剤管理指導料は多くの項目を包括しているために、これらの薬学管理料の同時算定が不可となっているのでしょうね。
同時算定不可の項目は知っておくと安心そうです。
在宅患者訪問薬剤管理指導料は、薬学管理料欄に記入します。
薬学管理料欄に記入する際には、在宅患者訪問薬剤管理指導料・およびその加算について何回分の処方箋受付について算出したかを略称を四角で囲んだ右側に数字で記載します。
患者によって算出上限が異なることなどに注意しましょう!
こちらの問題は学科試験で一度見かけたくらいなので、頻出ではないかもしれませんが時々出てくるので存在は認識しておくと良いと思います。
在宅患者訪問薬剤管理指導料について、しっかり考えてまとめたのは今回が初めてでした。
条件が他のものと比べて色々と複雑な気がするので、問題が出てきた際には丁寧に確認するとよいかもしれませんね。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
参考:調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603920.pdf