6回かけて、資金計画を立てる際の係数を導出してきました。
導出した係数の式・リンクのまとめ、逆数の関係になっているのは何故か少し考えた結果を記載しておきますね。
目次
導出した係数の式・リンクのまとめ
下記の表に導出した式をまとめ、リンクを貼りました。
表1 係数と導出した式のまとめ
係数名 | 終価係数 | 現価係数 | 年金終価係数 | 減債基金係数 |
式 | (1+r)n | 1/(1+r)n | {(1+r)n-1}/r | r/{(1+r)n-1} |
係数名 | 資本回収係数 | 年金現価係数 |
式 | r(1+r)n/{(1+r)n-1} | {(1+r)n-1}/r(1+r)n |
表に導出した式をまとめてみて改めての気づきとしては、
- 終価係数⇔現価係数
- 年金終価係数⇔減債基金係数
- 資本回収係数⇔年金現価係数
という関係が見えることでしょうか。
これらはそれぞれ、想定している状況は同じなのです。
つまり
- 同じように式を組み立てる
- 最終的に求めたいものの関係性が逆になる
上記の結果、逆数の関係になっているのだと考えられます。
具体的に想定している状況・求めたいものなどそれぞれ思い出してみます。
想定している状況:ある元本を一定期間後に一定金額に達するまで運用する
最終的に一定金額、つまり終価がいくらになるかを計算するのに用いるのが、終価係数です。
これは、元本にかけて求めることになります。
最終的にある金額にする、つまり現価がいくら必要かを計算するのに用いるのが、現価係数
これは、一定金額にかけて求めることになります。
想定している状況:毎年一定金額を積み立て、一定期間かけて一定金額に達するまで運用する
最終的に一定金額、つまり終価がいくらになるかを計算するのに用いるのが、年金終価係数です。
これは、積立額にかけて求めます。
最終的にある金額にするために積立金額がいくら必要かを計算するのに用いるのが、減債基金係数です。
これは、一定金額にかけて求めます。
想定している状況:現在の一定金額を一定期間で取り崩しながら運用する
毎年の受取金額がいくらになるかを計算するのに用いるのが、資本回収係数です。
これは、現在の一定金額にかけて求めます。
毎年ある受取金を受け取るために、現在いくら必要か計算するのに用いるのが、年金現価係数です。
これは、毎年の受取金額にかけて求める。
確かにかける・求めるの関係が、ちょうど逆になっているものが逆数で表現できることが分かりました!
ブラックボックスのように係数を名前だけで覚えて使うのは気持ち悪いという理由で係数を導出してきました。
それぞれの想定している状況、求めたいもの、何にかけて使うかなど、強く意識して考える時間が出来たので名前だけ覚えて使うよりも身につきそうだなと思いました!
試験では時間も大切だと思うので、試験会場では係数名を覚えて計算に用いることにはなるとは思いますが、求めるとこうなるのかと興味が出た方に共感していただけると幸いです!